
11月9日に銀座NAGANOで行われた「東京シシャチョー!ミーティング」をレポートします。
長野県企業の東京支社で働く支社長や社員の方々をお迎えして、長野・東京で働く魅力、会社の魅力、職場環境や就活のことなどを、カジュアルな雰囲気でお話できるイベント。当日は、北野建設株式会社の中村さん、信濃毎日新聞株式会社東京支社長の小市さん、株式会社八十二銀行の小野澤さん、株式会社守谷商会の綿貫さんの4人が登壇しました。
建設、広告・マスコミ、金融といった多彩な企業が登壇
まずは4人が自己紹介。会社の業務内容や業界の現状、長野県内出身者の割合なども話していただきました。
中村さん
「私自身は東京の大学を卒業して、入社しました。当社の事業は東京と長野で半々程度です。近年は、数年前からすると、3~4倍の規模の建物を手がけるようになっています。技術系の採用がメインではありますが、事務系の採用も行っており、社員の1割ほどになります。県内出身者の割合は7割ぐらいですね」
北野建設株式会社の中村さん
小市さん
「私は昨年3月に東京支社長になりました。このイベントに出るのは2年連続です。皆さんも『信毎』はご存知ですよね…?(うなずく参加者) 県内では高い影響力を持っていますが、今は新聞購読者の減少という課題に直面しています。そのため、従来の広告収入モデルから脱却し、社会課題解決型の新しい企画を立ち上げるなど、ビジネスモデルの変革を進めています」
信濃毎日新聞株式会社東京支社長の小市昭夫さん
小野澤さん
「私は東御市の出身で、東京の大学を出てUターン就職しました。八十二銀行は来年1月に長野銀行と合併し、八十二長野銀行として新たにスタートします。従業員数は約5000人規模になる見込みで、採用は総合職とデジタル・システム専門職の2コース。文理問わず募集しています」
株式会社八十二銀行の小野澤さん
綿貫さん
「私は、入社してからはずっと土木工事の技術者でしたが、東京支店勤務を経て今は人事を担当しています。当社は脱炭素経営に取り組み、地中熱利用の特許技術も事業化しています。社内には登山部もあり、ウィンタースポーツや温泉が趣味という社員も多いです。最近は、YouTuberのやぎちゃんを招いて、自然の魅力について社員と共有しています」
株式会社守谷商会の綿貫さん
参加者それぞれの悩みや思いも共有しながら、就活について考える
ここで、参加した学生の皆さんも簡単に自己紹介。希望している職種をはじめ、今日参加した理由、現在の悩みなどを話して、現状を共有しました。
「東京出身ですが、スノボが好きで長野によく行っています。ワークライフバランスを考えたら長野で就職するのも良いかも…と思って今日、来ました」「就活は5月頃から始めました。既に都内の会社から内定をもらいましたが、長野もアリかもと思って情報収集中です」「ずっと続けてきたスポーツを仕事にできないかと考えながら就活をしています。東京のほうがいろいろ選択肢が多いので迷っています」など希望も思いもさまざま。自然が豊かなところに住みたい、地域活性化に貢献したい、という声もありました。
その後は、司会者の進行で、パネルディスカッションが行われました。
Q. 自身の就活を振り返って、どうやって会社を決めましたか?
小市さん
「東京の企業から内定をもらいましたが、信毎の採用試験を受けて記者の道へ進みました。長野-東京は新幹線なら1時間半で移動ができます。今、満員電車に揉まれていると、こういう中でずっと通勤するのは辛かっただろうなと思います」
小野澤さん
「私が就活をしていた時はコロナ真っ只中で、リアルとリモート、両方並行して行っていました。長野と東京、どちらにするか迷いましたが、結婚や出産、家族を持つことなど、将来のライフプランを重視して、長野を選びました」

Q. 勤務地は、就職した後でも選ぶことができるのでしょうか?
中村さん
「当社では、長野と東京、どちらも同等の部門があるので、仕事内容の差異はないと思います。入社後半年は長野で生活することになりますが、途中で希望があれば東京の仕事の体験もできるようにしています。私たちは社員に対して10の約束をしてるのですが、その中の1つに、勤務地の希望があります。ライフステージによって、東京、長野と移ることもできます」
小市さん
「信毎は長野と松本に本社があって、入社後はどちらかでスタートします。その後の配属は希望を聞きながら、上司と面談して、最終的には会社が決めます。東京勤務はある程度、経験を積んでスキルを身に付けてからになります。ゆくゆくは勤務地選択制度を導入する予定もあります」
小野澤さん
「入行してから、まずは基礎を学んでもらいたいので、県内の支店に配属されます。2、3年ぐらいで転勤がありますが、年1回公募があって、首都圏や大都市圏枠に挑戦することもできるようになっています」
綿貫さん
「当社では、採用時に希望の勤務地を確認します。地元出身者が多いので県内の勤務が基本になっています。年に1回、上司と面談があって、そこで異動したいという希望を出せます。東京支店も地元出身者が多いです」
距離感が近いから、グループディスカッションでは“濃い”話も!
後半はグループディスカッションを行いました。2つのグループに分かれて30分でチェンジします。少人数ということもあり、個人的な質問や詳細な就活事情も…。それぞれのグループで聞こえてきた話をちょっとずつ紹介します。

Q. 求める人材はどういう人ですか?
小野澤さん
「求めているのは、成長意欲、チャレンジ精神のある人です。どんな知識が必要ですか?と聞かれることもありますが、知識は入行してから学べば大丈夫。自己研鑽して資格を取得した時には、報奨金も出しています」
綿貫さん
「積極的な人が良いですね。そういう意味では、今日、こうしてイベントに参加している皆さんは、積極的と言えると思いますよ」
逆に企業から、会社を選ぶポイントについて就活生に質問する場面も。「挑戦できるかどうか」「ワークライフバランスも大事」という答えが返ってきました。
綿貫さん
「当社では、入社5年目の社員にアンケートを取ったことがありますが、やりがいを感じていることや大切にしているものは人ぞれぞれ。なかなか決められない部分もあると思いますが、インターンシップが一つのヒントになるのではないでしょうか」
Q. 面接で印象に残っている学生はいますか?
中村さん
「『技術系の説明会に参加して一番質問をしていた事務系学生が印象深いです。押しの強さは心に残りますね。あと、やはり積極的にどんどん質問してくれると良い印象を持ちます」
小市さん
「やりたいことを明確に言える人。就活としては間違っているかもしれませんが、『ここしか受けていません』と言われると真剣さ、熱意を感じますね」
企業からは、長野と東京で迷っている理由について学生への質問がありました。「長野には家族も友達もいるから」「自分が生まれ育った場所なので暮らしやすいので」「でもバリバリ働くなら東京」という本音も聞かれました。
少人数だからこそ、お互い“本音”で語れる時間に
イベントを振り返って、就活生からは「面接では専門知識よりも人となりを見られるということが分かって、不安が解消されました」「今日のように対面で、リアルに交流ができる場は貴重だと感じました」「自分のアピールポイントや軸になるようなものを見つめ直したいです」といった感想がありました。
そして、企業からは就活生に向けてエールが送られました。
中村さん
「地域と共に発展する」が私たちの会社の経営方針。お客様あっての仕事であり、地域発展の歯車の1つでありたいと思っています。当社に限らず、長野県内の企業に入社してもらって、またどこかでつながる機会があれば嬉しいです」
小市さん
「まずは、長野県の企業に関心を持ってくれてありがとうございます。自分に合う会社、前向きになれる会社をぜひ見つけてください。あと、ちょっと宣伝ですが、信濃毎日新聞デジタルを活用すると、県内企業情報を効率的に収集できると思います。上手に使って就活に生かしてください」
小野澤さん
「就活に取り組む皆さんの真剣な眼差しが素晴らしいと感じた1日でした。ミスマッチを防ぐためにも、イベントでたくさん企業の話を聞いて、企業研究をしっかりして臨んでもらえればと思います」
綿貫さん
「これまで、このイベントがきっかけで会社訪問に来てくれた学生や、実際に入社に至ったという学生もいます。皆さんの積極的な姿勢は素晴らしいと思いました。今日のイベントをヒントにして、いろいろなことにチャレンジしてみてください」
イベントが行われた「銀座NAGANO」
就活生からも企業担当者からも“本音”がたくさん飛び出した「東京シシャチョー!ミーティング」でした。
県では今後もさまざまな形で就活をする学生の皆さんに向けたイベントを開催していく予定です。













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